50代半ばの家移り日記

53歳からの住み替え備忘録。ついでに大学(通信制)の勉強、とか。

【土地探し 1-#1】「本件、聞いていませんか」

このテキストを書いている今日は2022年2月14日(月)。バレンタインデーだ。
終業近くにどーんと重たい仕事を背負わされて、気分が一気にむしゃくしゃところへ家人M氏からチョコレートを頂戴した。GODIVAのそこそこのやつ。サンキュー、と一言礼を言い、口に入れてバリバリと小気味良く粉砕する。

見せ球、曲球

さて、昨日の続き。われわれの土地探しの旅がはじまったのである。
xaqi.hateblo.jp

さて1月17日(月)の夜、M氏と不動産屋の営業所へと向かう。月曜夜から用事を入れるのは、まあ好みではない(みなさんだってそうでしょ)。ついでに息子も連れて行ったが、止めときゃよかったと後悔した。
だいたい19:00に人を呼びつけておいて、20分以上も待たせるというのはどうなのよ。ちなみに、その不動産屋は「都市型の狭小住宅」に特化して業績を上げているが、情弱なわたしがネットでささっとググっただけでも、あまりいい評判は聞こえてこない。ま、そういうところ。

最初の予定では、見学する物件は2件で終わりのはずだった。営業A氏がクルマで連れて行ってくれることになった。わたしの自宅から少し行ったところの建築中のお宅を拝見する。
ここで「物件の広さの感覚を確かめてつかんで欲しい」というのである。M氏からの最初の持ちかけのときもそうだったが、その意図が解るようでよく解らない。要するにイメージを持ちやすくする、ということなんだろけども。

とはいえ百聞は一見にしかずで、寒空の下、現地見学する。時折雪がちらついた。1軒目と2軒目をそれぞれ見せてもらう。ほうほう、たしかに〈狭小住宅〉(失礼!)。それぞれの違いで目立つのは広さくらいかな。建売だったかどうか、忘れた(ともに3階建てだが、川崎市はそれが認められている)。
共通して言えるのは、狭さというよりも階段が邪魔くさく感じるということだ。ま、それはとどのつまりは土地の狭さから来るものなのだが、いまわたしたちが住んでいるのはマンションなので、階段の存在には敏感になる。

見学はしたものの別段ココロ動かされるものもなかったので、営業の問いかけに適当に反応していると、2軒目のお宅のリビングルームで、営業A氏は「どうですか、ここのリビングの広さは」としつこく訊いてくる。
まあ、1軒目よりは広いですけどね、と応える。
「どうですか、ここのリビングの広さは」。
いや、リビングルームも大事だけど、こちとらそういうことを問題にしているんじゃなくて、家そのものの広さを気にしているわけでさー。

リビングルームというより、そもそも家の広さがねー」と言ってそこで打ち切りにする。
さて帰宅かと思ったら、いやじつはもう1軒見てもらいたいところがあるという。もう21:00すぎてるんだけどなあ。月曜日だよ。
家人M氏はせっかくだから見てみましょうというので、仕方なく付き合う。息子はそろそろ疲れ始めている。

3軒目は、それまでの物件よりはだいぶ良かった(つまりは広かったということだけど)。
「ま、広いことは広いっスね」と反応すると、後から合流した営業B氏(じつは彼がほんらい家人M氏のアカウントだったのだが別件があってこの時間まで外していたのだという)がやってきて、「いや、じつはですね、とんでもない土地がでてきたんです」とささやいた。

本件聞いていませんか

「あれ、所長から本件聞いていませんか」というので、わたしたちはそろって首を振った。もうとっくに深夜近く。〈ラスボス〉的な土地を拝見する前に、ちょっと寄り道して見せ球のような区画も見せてもらう。が、こちらもまったく食指が動かない。線路に近すぎるし、そもそも古屋がまだ建っていて、夜だしよくイメージも湧かない。新築になってまで電車の音を聞きたくない。

営業B氏にはそれは織り込み済のようで、そこからいよいよ〈ラスボス〉的な土地へと向かうが、連れてきてしまった息子は営業B氏のクルマの中で寝てしまった。
とにもかくにも連れていってもらったのは、ウチのマンションからはやや離れている(徒歩12分ほど)、旧来からの住宅街の一角だ。そこに売り出したばかりの土地があるという。まだ古屋(もともとある邸宅)は取り壊されていないし、夜なのでイメージはつかみにくいが位置情報だけは解るだろうという。

はたして、閑静な(そりゃ月曜日の夜だもんな)住宅街である。なるほど、このあたりでは(住むのに)人気が高い一等地である。
営業B氏はあいにくと土地の分筆図を持ち合わせておらず、こちらも感覚でしか理解できていないのだが、4分割されるという。そのうち2区画は昨日即座に売れてしまい、明日(1/18)に契約予定だとか。
へええ早いなと思ったが、後後土地というものを新規獲得するのには、買い手にある程度の〈速さ〉が必要だということを、身をもって体験することになる。「とにかくこのあたりで、これだけの物件が出たのはすごいことです」と営業B氏は興奮気味に言う。要するになかなかレアなので、これは〈買い〉だということなんである。こちらとしては、とっくに疲れ果ててあまりピンと来ていない。

けっきょくその勢いに乗せられて、まずは我々も明日(1/18)に、その土地区画の詳しい話を聞くことにした。自宅から近いので周辺の土地勘はあるし、ひとまず子どもたちの学区は変更はあるものの、グレードの下がる学区ではないのでそれも安心材料のひとつ。
だが、この土地が隠し球以上の〈曲球〉だった。

  • お時間あったら、ここから読んでいってください。

xaqi.hateblo.jp